子どもの「お口ぽかん」放っておかないで!
子どもがリラックスして過ごしている時、いつも口がポカンと開いている・・・気になったことのある保護者や保育士の方も多いでしょう。
長い間口を開けたままで過ごすと口の周りの筋肉が衰えてきて、思わぬ弊害が起きることもあるのだとか。ここではそんな子どもの「お口ぽかん」についてご紹介します。
※2023年9月30日 朝日新聞朝刊より
目次
なんと3割の子どもが「お口ぽかん」
新潟大学などのグループは2021年に、3~12歳の子どもの3割に口がぽかんと開いている症状が見られた、と発表したそうです。これを「口唇閉鎖不全」と言います。
またその研究グループからは、成長期の過程で口が開いたのを自然に治すのは難しいのでは、という意見が出たそうです。
小児科医の浜野美幸さんは「コロナ禍でマスクを着用していた時期が長く口周りの筋肉が衰えているのでは」と指摘しています。
いろいろな働きをしてくれる口周りの筋肉
口には基本的に、食べる、話す、表情を作る、呼吸をする、という4つの働きがあるそうです。これらを支えるのが口周りにある筋肉です。
口が開いてしまうことは、唇を閉じる筋肉が弱くなっていることを示します。そうすると、舌を上げる力も弱くなり、舌先が下の歯についてしまうのだとか。本来は舌先は上前歯の後ろに触れるように上がっているのだそうです。
お口ぽかん、どんな弊害があるの?
口が開いたままでいると、以下のような弊害があるそうです。
・歯並びが悪くなる
・むせやすくなる(高齢になるにつれて)
・口呼吸になり、鼻呼吸では防げるウイルスなどが体内に入りやすくなる
口唇閉鎖不全は口腔機能発達不全症の症状のひとつ。18歳以下であれば、公的医療保険の対象になり、歯科で治療ができるそうです。
口周りの筋肉を鍛えるには?
軽快なリズムに合わせて、口の中に空気をためて唇や頬をストレッチしたり、舌を上げてポンと音を出したりして、楽しく口を動かす体操を行うことがおすすめだそうです。
舌を使ったおすすめの体操
①舌べろぐるり:下の裏にある筋を伸ばし、舌先を押し伸ばしながら口の中でぐるぐると回します。
②舌べろびろーん:口を大きく開けて舌先を左右の口角に向かって伸ばします。
③舌べろウェイーン:口をおおきく開けて、舌が上下の歯に当たらないようにし、まっすぐ前に伸ばします。
姿勢も関係しています!
口唇閉鎖不全を治すには口周りの筋肉の強化だけではなかなか改善しないそうです。関係しているのが姿勢。体の姿勢を治すことも重要だそうです。姿勢を治すことで、むせてしまう高齢者にも効果的なことが分かっているそうです。
お子さんが姿勢の悪い状態で口を開けたままテレビを見ていたりしたら、少しずつ改善するように声掛けをしてみてもいいですね。