国内外で子どもの人権を守る!「子どもの権利条約」
「子どもを大切にすることが、社会全体を変えるきっかけになります」。
国内外で子どもの人権を守る活動に取り組んできた「国際子ども権利センター」の甲斐田万智子代表理事は、このように述べています。
日本社会に向けてどのようなメッセージを届けたいのでしょうか。
(※2024年12月12日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
子どもの権利に関する理解と対話の大切さ
日本は子どもの権利条約に批准した後、一定の進展を遂げてきましたが、子どもの権利に対する理解が十分に浸透しているとは言い難い状況です。
「子どもに権利を教えると、わがままになる」といった誤解を持つ人も少なくありません。
また、子どもの意見表明権についても、「子どもの意見をすべてそのまま受け入れなければならない」と誤解している人がいます。
家庭では、親の意見と子どもの意見が対立する場面もあるかもしれません。
そのような場合でも、まずは子どもの意見をしっかりと聴き、親自身の考えや関連情報を伝えることで対話を深めることが重要です。
子どもの意思を尊重する社会が育む。明るい未来
「子どもの意思を尊重する」とは、大人と同じように子どもを権利の主体として接することを意味します。
たとえ身体的な暴力がなくても、大人が子どもの気持ちに耳を傾けず、本人の意思に反することを押しつける経験が積み重なると、その子どもが大人になったとき、他者の声を聴かずに力で物事を解決しようとする人間になってしまう可能性があります。
さらに、子どもの意思を大切にしない社会で育った若者は、行動しても政治や社会は何も変わらないと諦めてしまうのではないでしょうか。
だからこそ、子どもに関わる大人は子どもの権利について学び、「権利はすべての人に平等に与えられ、それを使うことで初めて意味を持つ」ということを子どもたちに伝えてほしいのです。
「仕方がない」「運が悪かった」と諦め、孤立していた子どもたちが、自らの権利に気づくことで力を得て、社会をより良くするために仲間とともに行動を起こす姿を何度も目にしてきました。
子どもの権利を尊重することが社会を良くする鍵
自分の権利を尊重されて育った子どもは、周囲の子どもたちだけでなく、大人の権利も大切にするようになります。
私たちが子どもの声にもっと耳を傾け、その意見を尊重するようになれば、現在よりもさらに良い社会が実現することでしょう。