子どもが育つ大人も育つ【幼児教育のたね】

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イタリアの共に学ぶ教育から考える子どもの個性を伸ばす幼児教育のあり方

子どもの能力を伸ばす教育というと、知識や技能を早く身につけることに目が向きがちです。
しかし、障害の有無や一人ひとりの違いを認めながら共に成長することも、大切な学びではないでしょうか。
イタリアのインクルーシブ教育から考えます。
(※2026年4月22日の朝日新聞の記事を参考にしています)

 同じ教室で一人ひとりの違いを受け入れる

イタリアでは、障害のある子どもとない子どもが同じ場所で学ぶインクルーシブ教育が浸透しています。
ボローニャの公立校「ブォン・パストーレ」では、約600人の子どものうち36人が障害認定を受けていますが、全員が障害のない子どもと同じクラスで学んでいます。
見学された小学3年生の図工では、早く作業を終えた児童が、作業の遅れているクラスメートの隣へ行き、切り方を教えていました。
その児童自身も自閉スペクトラム症で、多動の傾向があるそうです。
「教えてもらう側」「助ける側」を最初から決めない関係に、子どもの可能性の広さを感じます。

 子ども同士で育つ力も大切な学び

同校では、障害のある子どもがいるクラスには教師とは別にサポートスタッフが増員されます。
また、1クラスはおおよそ25人で、子ども一人ひとりに時間をかけやすい環境があります。
テレーザ・ピントーリ校長は、学校はよき市民を育てる場所だという考えから、授業の進み具合以上に、誰もが一緒に学ぶことを大切にしています。
幼児教育や英才教育について考えるときも、「どれだけ早くできるようになったか」だけが成長ではないのでしょう。
困っている友達に気づくことや、自分のできることを誰かに伝える経験も、子どもの力を育てる一つの機会だと思います。

 「特別」にしない環境がつくる日常

イタリアでは1970年代ごろから、障害のある人の権利をめぐる社会的な動きとともに、教育の場で分けて学ぶことも見直されてきました。
現在では、障害のある子どもや家族が近くの公立校への進学を希望した場合、学校側は拒否できないといいます。
印象的なのは、パラリンピック選手による学校訪問について尋ねられたピントーリ校長の回答です。
障害のある子どもがすでに学校で一緒に生活しているため、「障害がある」という理由だけで選手が訪問することはないと説明しました。
違いを特別な出来事として学ぶのではなく、日常の中で自然に知っていくという考え方には学ぶところがありそうです。

 幼児期から「その子らしさ」を見つめる

モンテッソーリ教育をはじめ、幼児教育にはさまざまな考え方がありますが、今回の記事で紹介されたイタリアの教育も、一人ひとりを見ることの大切さを考えるきっかけになります。
得意なこと、苦手なこと、行動する速さは子どもによって違います。
大人が一つの基準だけで能力を判断せず、それぞれが力を発揮できる環境を考えることも重要ではないでしょうか。
家庭や保育の場でも、子ども同士の違いを自然に受け止め、共に成長できる経験を大切にしていきたいものです。

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