子どもが育つ大人も育つ【幼児教育のたね】

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チャイルドシート「身長150cm未満」へ

一般社団法人日本自動車連盟(JAF)は、チャイルドシート使用が推奨される子どもの身長の「目安」を、従来より10センチ引き上げて「150センチ未満」とすることを12日から導入いたします。この変更により、保護者や小柄な大人はどのように対応すれば良いのでしょうか。
(※2024年9月12日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)

チャイルドシート使用基準引き上げで保護者の関心が増加

道路交通法では、6歳未満の子どもに対してチャイルドシートの使用が義務づけられています。カー用品専門店を展開するオートバックスセブンでは、JAFの新方針を受け、関連商品の売り上げが昨年の約2倍となり、店舗への問い合わせも増加している状況です。

また、6歳以上の子どもであっても、シートベルトの位置が適切でない場合、肩ベルトが首にかかってしまったり、腰ベルトが腹に当たってしまったりして、衝撃を受けた際に首や内臓が傷つくリスクがあることが知られています。

全国でロードサービス事業を展開するJAFは、交通安全の啓発活動にも取り組んでおり、担当者は「子どもの体格によっては、シートベルトが十分な保護効果を発揮できない場合がある」と、基準引き上げの理由を説明しています。

身長を基準にしたチャイルドシートの使用目安とその課題

チャイルドシートには、身長を基準とした「乳児用」「幼児用」、および車のシートベルトを使用する「学童用」(ジュニアシート)があります。しかし、交通安全を推進する団体や企業によって、チャイルドシート使用の推奨身長は135~150センチと幅があり、基準に統一性が欠けるため「分かりにくい」という声が上がっていました。例えば、自動車業界団体の日本自動車工業会は、車両開発における成人ダミーの最小身長などを根拠に、2013年からジュニアシートの使用目安を150センチ未満としています。このため、日本自動車連盟(JAF)は昨年から各団体と協議を重ねてきました。

しかし現状として、乳児以外ではチャイルドシートの使用が十分に徹底されていないのが課題です。警察庁とJAFが2023年に実施した全国調査によると、1歳未満のチャイルドシート使用率は92.0%でしたが、5歳では55.5%に低下し、年齢が上がるにつれて使用率が下がっていました。6歳以上の統計はないものの、使用率はさらに低いと考えられています。

チャイルドシート新基準への反響と疑問

国の統計によれば、平均身長が150センチに達するのは、男女ともに12~13歳頃とされています。JAFの新たな使用基準に従うと、小学6年生から中学1年生頃まで、体格によってはチャイルドシートが必要となる場合があるということになります。この方針が発表されると、SNS上では「小学生も使用が必要だとは知らなかった」といった反応や、「小柄な大人も対象になるのか」といった疑問が数多く寄せられました。

小柄な大人には調整を推奨、チャイルドシートは子どもの体格に合わせて

JAFは、大人に関しては「子どもに比べて体格や骨格が発達しているため」とし、シートベルトの位置や座席の高さ、角度を調整することを推奨しています。名古屋大学大学院工学研究科の水野幸治教授(自動車工学)は、大柄な大人であってもシートベルトの位置が正しくない場合、衝突時にベルトが骨盤からずり上がり腹部を圧迫して腸を損傷したり、脊椎の骨折を引き起こす可能性があると指摘しています。

シートベルトが骨盤にしっかりかかっているかを確認するには、ズボンのベルト位置よりもシートベルトが低い位置にあるかをチェックすることが重要であり、「今一度、座席での正しい姿勢を見直してほしい」とアドバイスしています。

さらに、チャイルドシートについては「義務はない6歳以上でも、150センチ未満の子どもは体格に応じて使用するべき」としています。

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